自分の翼は折れ曲がっていると
自分の翼はひしゃげていると

真白の美しき翼を目にしては
自らの醜きそれと比べ

憎み
憎悪し

存在を否定するように
自らの手で
切りつける

傷をつければつけるほど
救われるような感覚
痛みを感じれば感じるほど
許されるような錯覚

赤くしたたる血さえも
幸福を呼ぶ必需品のよう

切り裂いて
傷つけ続ければ
自分にも真白の美しさが与えられるような勘違い

刃を手に
苦しみを誤魔化す

いっとき偽の安心感を
いっとき偽の満足感を

真白な翼に憧れて

傷つける者よ
君の傷つけ続けているそれは
既に純白の美しさを持つというのに

真実を知らずに今日も
くもった瞳で刃を手にする

例え誰が教えてみても
信じるまい
くもった瞳が晴れるまでは
誰の言の葉も届くまい